人員規定

■常勤換算とは

 

「常勤換算とは、当該事業所の従業者の勤務延べ時間数を当該事業所において常勤が勤務すべき時間数で除することにより、当該事業所の従業者の員数を常勤の従業者の員数に換算することをいう」

つまり、簡単に言うと「ある事業所で働いている人の平均人数」です。
もっと言うと「いつも何人くらいで働いてる?」という質問に対しての答えです。

ここで言う、働いている人というのは全従業員が対象であり、正社員、パートなどの雇用形態は関係ありません。また、常勤・非常勤に関わらず、何人で働いているかを表したものです。

なぜ「常勤」換算と言うのか?
常勤の人に換算したときに、何人分働いているかを示した数字だからです。

【用語の定義】
常勤 : 雇用形態に関わらず、フルタイムで働く人
勤務延べ時間数 : 勤務表上、サービス提供に従事する時間やその準備を行う時間

 

 

 

 

 

■常勤換算の計算方法

常勤換算人数 = 常勤職員の人数 + (非常勤職員の勤務時間の合計 ÷ 常勤職員が勤務するべき時間)

 

では、次の例に実際に数値を当てはめて計算してみます。
 

 X事業所
 ・常勤の所定労働時間 : 40時間/
  (所定労働時間は法定労働時間内であれば、各事業所が就業規則や雇用契約書で決定することができます)
 ・従業員は5名(A~E)がおり、一週間の勤務時間は次の通りとします。
   A:40時間(正社員、サービス提供責任者
   B:40時間(正社員
   C:32時間(パート
   D:25時間(パート
   E:16時間(パート
 

2 + {(322516)÷40

= 2 + 1.825 

= 3.825 

≒ 3.8

 

※計算で出た値の端数は、小数点第2位以下切り捨て

 


  月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 合計
勤務時間
正社員A                                                                                 40時間
正社員B                                                                                 40時間
パートC                                                                                 32時間
パートD                                                                                 25時間
パートE                                                                                 16時間
労働者数 4 4 3 4 4 4 5 4 3 4 4 3 4 4 常勤換算
3.8

 

 

 

 

■違反の例

人員基準未満の場合は不正行為とみなされ、指定取消、営業停止、新規受け入れ停止などの然るべき処分が科されることがあります。

 

◇サービス提供責任者が併設する他の事業所の仕事を兼務する【訪問介護】

 ※同一事業所の管理者とサービス提供責任者の兼務は認められています。

 ※都道府県によっては取り扱いが異なることがありますので、福祉事務所等にご確認ください。

 

◆人員が確保できていない時間帯に、実際には無い虚偽のサービス実施記録を作成し、介護報酬を請求する【訪問介護】

 

◇人員が足りない状態の営業日に、不在の職員が出勤したかのように加工した出勤簿を作成する 

 

など人員基準だけでも違反に該当する例は、たくさんありますので、各自治体、厚生労働省、介護保険最新情報等を活用しての情報の収集を必須となります。

 

 

 

更新 2018/10/30